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西川大貴

2018年8月28日 (火)

ミュージカル『ゴースト』 8/25 18:00

@シアタークリエ
6列目 センターブロック

サム: 浦井健治 モリー: 秋元才加
オダ・メイ: 森公美子 カール: 平間壮一
松原凜子、栗原絵美、松田岳、ひのあらた
大津裕哉、岡本悠紀、小川善太郎、
木南清香、コリ伽路、島田彩、丹宗立宗、
千葉直生、土倉有貴、西川大貴、湊陽奈

脚本・歌詞: ブルース・ジョエル・ルービン
音楽・歌詞: デイヴ・スチュワート&グレン・バラード
演出: ダレン・ヤップ

服装などからもわかるように、様々な時代の様々な年代のゴーストがいて、例えば地下鉄のゴーストは、まだ若く、やりたいこともたくさんあった。
自分がなぜ、誰に殺されたのか知りたくて、来る日も来る日も地下鉄に乗り続けている。
彼にもサムのように、自分を地下鉄の線路に突き落とした犯人に復讐することが出来るの日が来るのだろうか…。
西川くんが演じているということもありますが、NYの片隅で怒りを全身に纏い暮らしいている彼の境遇に感情移入してしまいました。
それに比べて、サムはなんてラッキーで強欲なのだろうと思えてしまって。

サムがゴーストになってしまったときに、ゴーストの先輩から「人間だったときのことを手放すんだ」とアドバイスされるけれど、彼は、たまたま自分の声を聞くことができるオダ・メイと知り合えて、先達が長い時間かけて獲得してきた技(ドアを開ける、物を動かす等)をすぐに教えてもらえて、思いを果たし、向こうの世界に行くことができた。
オダ・メイにも危険が迫っていることもあり、手に入れたお金を手放すように勧めてもいた。

でも、ラストのサムの台詞、「僕の愛は君と永遠にいる」(でしたっけ?)というのは、”手放す”とは正反対で、モリーは、これからサムがいない世界を生きていかなければならないのに、彼との思い出の中に永遠に繋ぎ止めてしまうのではないかと感じてしまうのです。

それとも、サムがあちら側の世界に向かうところまで見届けたので、サムとの思い出を思い出として、モリーは新しいスタートを切れるのでしょうか。そうであればいいのですが。

モリーが歌う「With You」は、プロフィギュアスケーターの荒川静香さんがアイスショーでよく使っていたこともあり、7月に暴漢に襲われて亡くなったカザフスタンのデニス・テン選手のことを思い出したりもしました。
今でも信じられない、信じたくない思いでいるのですが、せめて残されたご家族や大切な仲間たちに、サムのようにデニスが最後の挨拶を出来ていればいいのに、と。


『天使にラブソングを〜シスターアクト〜』のデロリスに続いて、映画版でウーピー・ゴールドバーグが演じたオダ・メイをモリクミさんが。
(ちなみに、シスアクに出演していた湊陽奈ちゃんがこの作品でもシスターのコスチュームを着ていたのがツボ。笑)

個人的にお芝居がちょっとアドリブというかモリクミ節に振れ過ぎているのではないかな?と感じました。
サムとオダ・メイの会話によって、サムのキャラクターがよくわからなくなってしまっているような気がしなくもないような…と。
でも、大騒ぎナンバーの「I’m Outta Here」はめちゃくちゃ楽しかった!

松田優作バリにトレンチコートを着こなした土倉くんと西川くんがシンメでガンガン踊りまくるのが最高でした!!テンション上がったー!!西川くん、踊るなら踊るって言っておいてよー(笑)
モリクミさんがいて、この2人がいると、パトロンミネットが豪華なパーティーで踊り狂っているようでした。モンパルナスとクラクスーはパリピ。
千葉直生ちゃんと島田彩ちゃんのコケティッシュでキュートなメイド姿がスーパー可愛くて3億点あげちゃう勢い。

また、オダ・メイの手下シスターズの栗原絵美ちゃんと松原凜子ちゃんのファンキーな歌とダンスはモリクミさんにも負けない大迫力でアガりました。

いるのに、いない。いないのに、いる。
この演出の仕方が絶妙でした。
見えているサムとしての視点、見えていないモリー側の視点、最後にそれが交わる。そのカタルシスが素晴らしかったと思います。

それから、映像と実際の肉体の使い分けも驚きでした。
最初にサムがゴーストになって、肉体が倒れている場面やカールたちが向こうの世界に連れ去られていく場面は、人間が動いて表現することによってゴーストとしての”実体”を感じられるのが、舞台ならではの醍醐味でした。

この話はゴーストになったサムの話で、カールがなぜ悪事に手を染めたのかは提示されなかったですよね。モリーを横恋慕するためにサムを陥れたわけでもなさそうだし(どちらかというと副産物的なもの)、ただ悪者を演じる平間くんは損な役回りだったような。
秋元才加ちゃんはカテコの最後の最後まで役に入り込んでいるように見え、”見えない”モリーを演じるには、ものすごい集中力が必要なのだろうと思わされました。次は彼女の身体能力やダンススキルが活かせる役柄で見たいなぁ。

自分の環境の変化や老いによって、何かを手放すことになるかもしれない。
また、いつか大切な人やものが自分の前からいなくなるかもしれない。
そのとき、自分はどうありたいかを少し考えてみたいと思いました。


2018年6月 4日 (月)

DAY ZERO 5/31 19:00〜

青山DDDクロシスアター
C列センター

弁護士 ジョージ・リフキン: 福田悠太(ふぉ〜ゆ〜)
タクシードライバー ジェームス・ディクソン: 上口耕平
小説家 アーロン・フェラー: 内藤大希
パトリシア ほか: 梅田彩佳
モリー・リフキン ほか: 谷口あかり
カウンセラー ほか多数: 西川大貴

Based on the screenplay DAY ZERO by Robert Malkani
上演台本: 高橋知伽江
作曲・音楽監督: 深沢桂子
演出: 吉原光夫
ギター演奏: 中村康彦

カオスだと思ったメロディーも、2回目だと身体に入ってくる箇所もあったのは収穫。

東京公演初日前の取材では、この作品で描かれる近未来は2020年だと明かされていました。
劇中に「明日は昨日の続きだと信じて 今日を生きてきた」(意訳)というような歌詞があります。
2020年は2018年の続き。
それなら、せめて2010年代の政治の動きを踏まえたものにならなかったのでしょうか。

トランプ政権の任期は2021年1月までなので、2020年は大統領選真っ只中ということになります。
その話題がいっさい出てこないというのは、アメリカ社会を描くうえで、あまりにも不自然ではないかと思うのです。

原作の映画ではどう描かれているのかわかりませんが、2008年に上映された近未来の姿は2018年ではすでに過去のものになってしまっているような気がします。
ゲイやレズビアンのアスリートがオリンピックで活躍し、大物映画プロデューサーへのセクハラ告発に端を発する #Metoo ムーブメント全盛の今、彼らの思考・行動が時代遅れの感が否めないのです。

2020年という近未来にすることによって、自分たちに身近な話題となるはずなのに、2018年までが描かれていないのでこれが2020年である必要がないんですよね。
本当に徴兵制があった第二次世界大戦でもベトナム戦争でも描ける話。

決められたDAY ZEROまでどう過ごすか。
20年来の彼らの友情、それぞれが守りたいもの、やりたいこと、見つけたもの。残してきた過去と向き合うこと。
それがこの作品で描きたかったことだと思うし、伝わってはくるけれど、”現代があっての近未来”という前提がすっぽ抜けているので、状況が上滑りしてしまっているように感じてしまうのです。

1時間40分強の作品ですが、もう少し時間を伸ばしてでも彼らを取り巻く”社会”を描いて欲しかったように思います。

2018年5月27日 (日)

DAY ZERO プレビュー公演 5/26 15:00〜

@水戸芸術館 ACM劇場
S席 2階A列センター

弁護士 ジョージ・リフキン: 福田悠太(ふぉ〜ゆ〜)
タクシードライバー ジェームス・ディクソン: 上口耕平
小説家 アーロン・フェラー: 内藤大希
パトリシア ほか: 梅田彩佳
モリー・リフキン ほか: 谷口あかり
カウンセラー ほか多数: 西川大貴

Based on the screenplay DAY ZERO by Robert Malkani
上演台本: 高橋知伽江
作曲・音楽監督: 深沢桂子
演出: 吉原光夫
ギター演奏: 中村康彦

設定は召集年齢が35歳まで引き上げられ徴兵制が復活した近未来のアメリカ。
それぞれ別の道に進んだ中学生の同級生で今でも毎週末のように集まる34歳の3人に召集令状が届くことからこの物語は始まります。

DAY ZERO、それは出征する当日。
残されたタイムリミットは21日。
彼らはその期間で今までどうやって生きてきたかを突きつけられ、今の自分と向き合い、どうやって生きていきたいかを考えるようになる。

召集令状を受け取った瞬間、それは耕平くんが出演した『I Love A PIANO』でも描かれました。あれは第2次世界大戦でしたが。
それから、ベトナム戦争の出征前日を描いたミュージカル『ドッグファイト』も頭に浮かんできます。
どちらもアメリカを描いている作品。

単純化できる(してはいけない)話ではないけれど、第2次世界大戦では、連合国側の敵(ドイツ、イタリア、アメリカに宣戦布告した日本)に対する”正義”という大義名分があったのだろうし、ベトナム戦争は、当初はアメリカの圧倒的有利と言われていたこと、また『ジャージー・ボーイズ』でトミーが言うように、自分の境遇から抜け出す手段のひとつにもなっていたのでしょう。

20世紀に多くの戦争・紛争を体験してきた人々は、極力それらを避けるように努力してきたはず。

しかし、2001年9月11日を経た近未来のアメリカ。
召集令状を受け取ったタクシードライバーのジェームスは「自由」のために戦うと言うけれど、それは何のための自由で誰のための自由なのか。
ミサイルのアラートが鳴り、自国の安全が自国を飛び越えた国の間で協議される(だろう)2018年の日本にいる私にはそれが分かりません。これが平和ボケと言うのかもしれません。

彼らは、3人の青年は、自分らしくある自由を奪われたのではないのか。
守るべき大切な生活、初めて心が通じ合えた愛しい人、夢…それらをいきなり打ち切られることが果たして正しいことなのでしょうか。
彼らの21日間、私には何か間違ったもののために無理やり動かされているように見えました。


原案になった映画は11年前に公開されたものだそうですが、このミュージカルは近未来という設定なのに、人物描写やエピソードがなんだか古臭く感じてしまいました。
日本で言うところの”昭和かよ”みたいな(アメリカだけど)

弁護士のジョージについて、嫌悪感を抱いてしまう描写がいくつかあるのです。Metooムーブメントが盛んな今、ジョージが犯した過去の過ちについて触れることは、フィクションとはいえ、とてつもなく気持ち悪い思いがします。
彼の行動は被害者が何も救われない”謝罪オナニー”にしかなっていないのではないかと思うし、それに対してジェームスが返す言葉も被害者に対する視点が欠けていて「それはないだろう」という怒りの感情が湧いてきてしまいます。

そして、ハーバードを出て弁護士をしているという設定なのに、LGBTに対する認識はそんなものなのかという驚きというか落胆というか、違和感があります。

多くのセレブリティ、スポーツ選手、政治家がLGBTの権利を主張しているアメリカという国の法の下で働くジョージが、人のプライバシーや性的志向を踏みにじる行為をするということにおぞましささえ感じます。

極限状態になった人間は何をするのか分からない。それはそうかもしれないけれど、このような思考を持った人間が弁護士をしているということに、この作品の主題とはズレますが、絶望してしまいました。

アメリカの国防総省はオバマ前大統領下の2016年6月30日にトランジェンダー(心と体の性の不一致)の人々の米軍入隊規則を撤廃しました。
しかし、17年7月、新しく就任したトランプ大統領が、彼らの入隊を禁止しようとするツイートを更新し、18年3月には、軍務に就くことを一部の例外を除き禁じる方針を発表しています。

近未来は東京五輪より先に設定されているような台詞がありました。
それならば、あの時代は今のトランプ政権の流れを汲んだ思想に支配されているのでしょうか。
西川くん演じる人物の悲壮な様子に胸が痛みます。

先ほど、未来のはずなのに古く感じてしまうと書きましたが、時代全体が戻ろうとしていることを表しているのでしょうか。


性格も職業も環境も違う3人は、ただの仲良しではなく、2人はジェームスに、ジェームスは2人に、それぞれに”借り””恩”があるという、ジェームスを中心にしたバランスで成り立っている。
過酷な少年時代を過ごしたジェームスを助けてくれた2人のためにヒーローでいたいジェームスの思いは、友情というより自己犠牲で、彼は自分が2人よりも幸せになってはいけないと思っているようなフシがある。
なんというか、救われた命を他人のために使う、ジャン・バルジャンのようにも思えます。

バルジャンはコゼットをマリウスに託し命を終えますが、ジェームスはパトリシアを残して戦地に赴かなければなりません。彼女と過ごすことによって得られた安らぎも希望も気づきも捨てて。

ジェームスが21日間の間に見つけたものは、それまで手に入れられなかったもの。
耕平くんと梅田彩佳ちゃん(梅ちゃん)の繊細なやり取りはとても素敵でした。光と陰のような2人だからこそ惹かれあったのだということが伝わってきたと思います。
それにしても、演出のときの光夫さんってロマンチストだなぁ。

一方、アーロンは、カウンセラーから21日間でやりたいことの「トップ10」を作るといいとアドバイスをされ、今までやりたかったけれど踏み出せなくて出来なかったことをこなしていく。本当にやらなければならないことを避けながら。

ジェームスに言われるまでもなく、彼はやらなければならないことは分かっていたのだと思う。危ない薬に手を染めるほどに。
ジェームスがどんなに願っても手に入れられないもの。それを手放してはならない、自分のせいで手放してほしくない、そんな思いで突き放してしまうけれど、アーロンは絶望感を募らせていく。

内藤大希くん、前半はストーリーテラーというか状況説明のような役割を果たしながら、後半にかけて精神状態が狂っていく役でしたが、上手いなぁと驚嘆してしまいました。
アーロンが一人でいる時間に何を考えていたかという空白をきちんと埋められるお芝居の力が素晴らしい。

“Wたいき”ががっつり絡むカウンセリングソングは、西川くんの役が『Next to Normal』で新納くんが演じた精神科医を彷彿とさせます。あちらはロックで今回はフラメンコでしたが(笑) 西川くん、怪演です。

内藤大希くんと西川くんは子ども時代からの知り合いだけれど、板の上で共演するのは初めてなのだとか。

西川くんは、カウンセラー以外にもジョージの父親や部下、レポーターなど多くの役を兼任します。これは『ドッグファイト』の戸井さん(初演)やひのさん(再演)的な立ち位置ですよね。
後ろを向いてすぐに別の役として喋るなど、休憩なしの100分の中でスイッチをいくつも切り替え、また、ほかの3人に影響を与えるように台詞を投げなければならないという難しい役割に挑戦しています。

特筆すべきなのは、谷口あかりちゃんでした。
ジョージに関わる2人の女性を演じているのですが、彼に人生を救われた女性と彼(だけではないけれど)に人生を狂わされた女性という両極端な役柄を、どちらも的確に舞台上に立ち上らせていました。
また、全体的にメロディが難解というか、耳触りとしてはつかみどころのない曲調を歌詞とともにしっかり伝える力量にも圧倒されました。

最近、役者さんの中からも「ミュージカルは芝居だ」という論調をよく見かけます。
それに異論はないけれど、ミュージカルという”方法”を用いるならば、歌を通して心情を分かりやすく伝えるために、いくつかは劇場を去るときに頭の中に流れるようらキャッチーな曲がほしいところです。カオス感を表現するための不協和音の連続ははっきり言ってキツいものがありました。
また、耕平くんと梅ちゃん、福田くんが揃ってるのに踊らないっていうのがとにかくもったいない。
ダンスで伝えることもミュージカルのひとつの魅力だと思うのですが。

最後に、20年来の親友たちなのにファミリーネームで呼んでいた(ディクソン呼び)ところと、アメリカではサーティワンはサーティワンとは言わないはず(バスキン・ロビンスという正式名称がある)だというのがどうも引っかかってしまって…。
特に人の呼び方は関係性の距離を表すものだから、ファーストネームで呼ぶべきではないでしょうか。
(ビジネスだって、数回やり取りすればメールはファーストネームで送られてくるわけだし)
神は細部に宿って欲しい。

本公演での変化を期待します。



2018年4月28日 (土)

お月さまへようこそ 4/25 19:00、4/26 14:00

@CBGKシブゲキ‼︎
25日: F列 センターブロック
26日: D列 センターブロック

海宝直人 宮澤エマ
西川大貴 吉田沙良(ものんくる)
中村翼 畠中洋

作:ジョン・パトリック・シャンリィ
演出:吉原光夫

『お月さまへようこそ』は、「赤いコート」「どん底」「西部劇」「喜びの孤独な衝動」「星降る夜に出かけよう」そして表題作「お月さまへようこそ」という6編の短編から構成される戯曲だそうです(ちょっと調べた)。

タイトルにも使われていたり、6編を通して何回も出てくる”月”というモチーフは何らかのメタファーのはずだという思い込みがあったのですが、”月”はただそこにあって、スポットライトより淡く優しく、彼らを照らしてくれるだけ。
あぁ、私はつまらない物の見方をしているなぁと思わされました。

パンフレットやポスターに、それぞれの短編のタイトルの表記がないのは、短編ごとに切り替えて見るのではなく、全編をひとつと考えて欲しかったのかもしれない。
6編は明確に繋がっているわけではないけれど、見終わった後に、少しだけ自分の周りを温かく見てみたいという思いになりました。

人はいつでもひとりぼっち。
誰かにわかってほしくて、分かち合いたくて。
そんな想いを抱きながら生きていかなければいけなくて。
でも、人生のほんの数回、他人とバチッと繋がれる瞬間が訪れる。その美しさと少しの滑稽さ。

「人生は素晴らしい!」と堂々と肯定する光り輝く太陽のような強さはないけれど、月光のように、じんわりと、「人生、こんな綺麗なところもたまにはあるよね」と受け入れられる。

開演前に1曲、キャストのパフォーマンスがあったのですが、初日が25日夜が西川大貴さん、26日が吉田沙良さんでした。

西川くんは、ユニット“かららん”から「逃げのびるだけでいいだろう」を。
この曲には「自分をわかってほしい わかってほしくなんかない」という歌詞があるのですが、それがこの物語の導入に書き下ろしたのかのようにピッタリで、完璧な推理小説を読んだときのような一種の爽快感さえ感じました。

わかってくれる人がいる。
ひとつの考えを分かち合う相手がいる喜び。

それが「響人」という空間に、それぞれが別のベクトルで動いているこのメンバーが集まって、ひとつのものを作っていくというところにもちょっとだけ似ているかな?とも思ったり。

客席から見える大きな月。
吉田沙良ちゃんを初めて見たのは、青山のライブハウス”月見ル君想フ”でやった響人主催のキリンジのトリビュートでした。
それから、“かららん“のクリスマスイブイブライブのゲスト出演も、同じく”月見ル君想フ”。

だから、西川くんと沙良ちゃん、そして奥に佇む月という組み合わせがすごく自然に見えました。

ポエットとラブ。
自由なカウボーイと家に閉じ込められた女の子。

「どん底」での、寄り添う愛。
「西部劇」での、離れたところからでもお互いに面識がなくても、影響を与える、繋がっていると思わせる存在。
対照的な2人の関係性を、西川くん×沙良ちゃんという、同じ組み合わせで見られたのが良いアクセントだったと思います。

エマちゃんと海宝くんは、甘酸っぱさ担当でしょうか。
特に「赤いコート」は見てる方が恥ずかしいぜ的な「好き」の応酬。好きだから好き。自分は1人ではないという確信。それは、理性とか羞恥心とか吹っ飛ばしてしまうんだなぁ。

オーディションで選ばれたという中村翼くん、表題作「お月さまへようこそ」での居方がとても素晴らしかったと思います。
西川くんも新境地のコメディだったのでは?
自殺したい男とその原因。それがいきなりのハッピーエンド!時にそんなこともある、それが人生。

畠中さんは、人を打ちのめす役柄もあれば、若者たちを優しく見守る役もあり、まさしく我々が人生で出会っていく大人を体現していらっしゃいました。
“時テキーラ”最高です(笑)

私たちの人生には、はじまりが何度もある。
良いこと、悪いこと、月のように満ち欠けを繰り返しながら、日々を生きていく。
それは、ちょっと素敵なことなんじゃない?と思えるような作品でした。

2018年2月28日 (水)

KARARAN LIVE「Liberate」 2/27 19:30

@Motion Blue yokohama

西川大貴 (vo, tap) 桑原あい(p)
遠藤定(b) 須原杏(vln) 林田順平(vlc)
ゲスト: 昆夏美 (vo)

<1st set>
Where is my home
凸凹の街
ステュアートさん
9月になったら
クリスマスの歌
カラス
to U / Bank Band

<2nd set>
Suppertime (『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』) 西川×桑原
『ミス・サイゴン』メドレー (with 昆夏美)
LIVE LIFE
空まで伸びる木 (昆夏美)
恋するフォーチュンクッキー / AKB48
とびきり愉快なスウィングを
TAP

たまごやき 西川×桑原

2回目のモーションブルーヨコハマ。
ベースの遠藤定くん久しぶりだなぁと思ってブログを遡ったら、私の見た限りだと、2015年2月のライブ以来、約3年ぶりの参加。お帰りなさい!
今回は初めてストリングスが入る構成。2人とも2ndアルバムのレコーディングには参加していて、ようやくライブにお目見えです!
(ちなみに、林田順平くんのお名前はこのブログのこちらにすでに登場しているのです)
アレンジを担当した桑原あいちゃんが言うには、コントラバス(べース)、バイオリン、チェロそれぞれ1人ずつとピアノという編成は難しいものなのだそうですが、揺りかごのように優しく歌声を包み支える音色やリズムもあれば、まるでランナーがライバルと駆け引きをするような挑発的なうねりもあって、バンド編成とは違う音が面白かったです。

1st setは低温の箱の中で何か液体がフツフツと湧きあがるような、でも溢れないギリギリのラインを保っていて、2nd setはそれが一気に弾けたような爽快感がありました。

「Where is my home」だけはコントラバスではなくエレクトリックベースだったのが、動物園という人工的な空間で暮らす動物の境遇とも合っていると思ったし、シンコペーションを畳み掛けるピアノの間奏はパンダくんの"息が詰まる"様子にも感じられました。

まわりからは「笹が好き」だと思われているパンダですが、実は苦手だったら…?
私たちは勝手に人にレッテルを貼り、もしくは貼られ、そうやって生きている。本当の自分はどこにいるんだろう?

ストリングスと西川くんの声がお互いに高みを目指していくようなアレンジが印象的だった「凸凹の街」、「ステュワートさん」では、演奏に乗ってストーリーテラーとなった西川くんにおとぎ話の世界に連れて行ってもらう感覚。

"季節外れシリーズ"の「9月になったら」と「クリスマスの歌」。
「クリスマスの歌」は、季節外れも季節外れ、昨年の夏に発表されたもので、発売されている2枚のアルバムには収録されていない新曲なのですが(だからこそ、でしょうか)、撮影OKということだったので、ツイッターにアップしてみました。

どちらも何か区切りを感じさせる歌詞。「9月になったら」は"区切らざるをえなくなった女の子"に寄り添うように歌い、「クリスマスの歌」はあいちゃんのコーラスがあるからかもしれないけれど"自らの気持ちにふと気がつく"女の子自身が歌っているように聞こえました。
ストリングスがドラマチックな感じを醸し出していて素敵なので、次のアルバムに収録されるときも、このアレンジだと嬉しいな。

「カラス」はMCでも言っていたけれど、最近歌っていなかった曲。調べてみたら、ちょうど前回のMotion Blueのライブ以来のようです。
リハで歌ってみても「なんか違う」と、セットリストから外すこともあったそうで、その理由は何だろう?
今回、最後のフレーズ、「君の目が欲しい」を歌わなかったことに何かヒントがあるのかな?

最近見た『カラフル』や『FUN HOME』という作品は、この曲のサビ「なぜ この世界は 自分の目からしか見えないんだろう」「あなたの目や 君の目で 世界が見えたら」っていうところに繋がっているような気がして、個人的にとてもタイムリーだったので、聴けて良かったです。
痛みを知って、痛みを忘れて、私たちは自分の目からしか見えない世界で生きている。

2nd setのスタートはなんと大好きな「Suppertime」!!
『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』というスヌーピーのミュージカルがある、ということを知ったのは、14年2月『恋するブロードウェイ』で西川くんが「Suppertime」をやってくれたのがきっかけ。
今回初めてあいちゃんのピアノとのコラボを見ることができました。

曲はブロードウェイ版の音源よりさらにジャジーにアレンジされていてオトナな雰囲気だけど、超絶ピアノと高速タップの応酬が最高にかっこよくヤンチャ。スヌーピーのハッピーダンスというよりは、2人の真剣勝負みたいで(あいちゃん「事故ることを前提にやる」と意気込み)一気にテンションがブチ上がりました。これがライブの醍醐味!


そして、ゲスト・昆夏美ちゃんを迎えて『ミス・サイゴン』メドレー 。
劇中でキムとクリスの婚礼の際に歌われる「ウェディング(ジューボイヴェー)」から、 この物語を「結婚」という角度で捉えたいと西川くんが提案し、あいちゃんが20分超の大作に仕立てたもの。

確かに、キムとクリス、キムとトゥイ、エレンとクリスは「結婚」によって繋がった人たちだし、ジョンが歌う「ブイ・ドイ」はもしかしたら片方(米兵士側)に結婚する気がなかったとしても女性にとっては結婚の証となって生まれてきた子どもたちを歌う曲。
それを「私、今いちばん『ミス・サイゴン』知ってる!キムやれる!」と豪語するほどに作品を読み解いたあいちゃんが、劇中とは違う曲順でアレンジしたのですが、もう天才!いわゆる大ナンバー(「世界が終わる夜のように」「いのちをあげよう」等)をインストだけにしたり、歌っても短いフレーズだけだったり、THIS IS『ミス・サイゴン』\ドドーン! !/という味付けではないのに、全体を通すとしっかりストーリーが通っていることに驚きました。あいちゃん天才!!

劇中、中盤で歌われる「ブイ・ドイ」は、私にはアメリカ側の偽善にしか聞こえないのだけれど、これをタムが残されたラストに持ってくることによって、本当にアメリカが救わなければならない存在を目の当たりにし、自己満足ではなくなるように感じて、私がこの作品に抱えていたモヤモヤが解消されたような気がします。

キムとエレンを昆ちゃん、クリス、ジョン、エンジニア、トゥイ(とアンサンブルも? ) を西川くんが歌いました。昆ちゃんのキムはもちろん絶品、西川くんはトゥイとエンジニアの「生きのびたけりゃ」の暗躍感が好きでした。

そして「ライブに行き詰ったら呼ぶわー!」と"いかにも"な台詞で昆ちゃんを送り出し、「LIVE LIFE」へ。
ライブを楽しむ生活、人生を生きる私たち。観客も手拍子で参加して、みんながひとつになる感じがピースフルな1曲。

「あれー、行き詰まっちゃったー」というわざとらしいMCで再び昆夏美ちゃんが登場。
実は桑原あいちゃんとは高校の同級生で10年来のお友達ということになるのだそう。
「空まで伸びる木」は東京近郊に暮らしてきた若者たちの心象風景のように思えるのですが、その中の歌詞「10年後にまた来ようなんて笑って」という部分が(西川くんも含めて)彼女たちの関係性にピッタリなんじゃないかなと思ったりして(知らんけど)。

もはや持ち歌か?レベルで歌っているような気がする(笑)「恋するフォーチュンクッキー」。
腕利きのミュージシャンと良質なソウルミュージックという組み合わせは無敵。問答無用で自然に笑顔になってしまうし、楽しそうな西川くんが見られて嬉しいのです。

「TAP」。
このライブのタイトル”Liberate”は”解放”という意味。
それがなんとなく、言葉にするのは難しいのだけれど、すとんと伝わってきました。歌が、思いが、リズムが西川くんから解放されて、会場内を満たしていくような、そしてもっと広がっていくような。

アンコール前のMCで「感想がすぐ出てくるライブと出てこないライブがあって」みたいなことを言っていたけれど、歌えば歌うほど自分が満たされていくライブと、歌えば歌うほど自分が解放されて空になっていくライブがあるのかな?

「今を残したいと思う」「残さなきゃいけないと思うんだ」って、西川くんの他の曲の詞にも通じる意志であるのと同時にモチベーションのような気がして、だから彼は作詞をして、歌って、お芝居をしているのかななどと思ったりも。
“何か伝えたい” その思いを少しでも受け取りたいと思ってしまうんですよね。

新鮮なストリングス構成に冴え渡るあいちゃんのアレンジ、また忘れられないライブになりました。

2018年2月 4日 (日)

ミュージカル『マタ・ハリ』2/3 12:00, 17:00

東京国際フォーラムCホール
マチネ: S席1階12列 下手側
ソワレ: S席1階12列 センターブロック

マタ・ハリ: 柚希礼音
ラドゥー: マチネ 佐藤隆紀 (LE VELVETS)
ソワレ 加藤和樹
アルマン: マチネ 加藤和樹 ソワレ 東啓介
ピエール: 西川大貴
パンルヴェ: 栗原英雄 アンナ: 和音美桜
ヴォン・ビッシング: 福井晶一
遠山裕介、則松亜海、田村雄一、
石井雅登、乾直樹、金子大介、
木暮真一郎、後藤晋彦
彩橋みゆ、石田佳名子、神谷玲花、
彩月つくし、花岡麻里名、松田未莉亜、吉田理恵

脚本: アイヴァン・メンチェル
作曲: フランク・ワイルドホーン
歌詞: ジャック・マーフィー
編曲・オーケストレーション: ジェイソン・ホーランド
訳詞・翻訳・演出: 石丸さち子

大阪で幕開けした公演が東京にやってきました。
加藤和樹くんが2役を務める作品で、東京では3回マチソワで役が変わる日があります。2月3日もそのうちの1日。

さて、この作品が好きな方は、ここで回れ右してくださいね。忠告しましたからね。




もともと韓国制作のミュージカル。
日本で上演するにあたりどんな風に変えたのか、また、変えなかったのか私には分かりませんが、日本版は、私の好みの作品ではありませんでした……。

ストーリー展開に余白や良い意味の矛盾がある場合、演者によって、話が膨らんだり、思いがけず別のテーマが沸き上がったりするものです。それも観劇の醍醐味だったりします。

が、この『マタ・ハリ』では、役者さんのお芝居でも空白を埋めきれてなかったように感じます。
むしろ、マタ・ハリに友情や憧れ以上の気持ちを抱くアンナ、飛行機に乗ること、戦争に恐怖を感じるピエールというサイドストーリーを担う人たちによって、救われた感がありました。

1曲の中で役の成長をほぼ表情だけで見せる西川くんのピエール、最高でした。少年感全開のところから、アルマンとの会話で兵士として自覚し、彼と信頼関係を築き、パイロットとして出撃するまでの変化がビビッド。
この作品の中の役として戦争の恐ろしさをたった1人で背負っていて、素晴らしい役者だと思いました。

「フランスを守りたいけど怖いんだ」という自分を鼓舞して1人前の兵士にしてくれたアルマンはある意味ピエールにとって恩人で、だからこそピエールは飛行機が撃墜された後も軍人として国のために働いていたのに、マタ・ハリのスパイの裁判にアルマンが彼女をかばいに現れたら「そりゃないぜー」ってなるよね。
でも、恩人だから撃たれたらビックリするはずで、そこらへんの気持ちの揺らぎも見えました。
ピエールはちゃんとお仕事しててエラいなぁ。


そもそも身もふたもないことを言ってしまうと、私、ある程度地位が高かったり、強く見えている女の人は実は孤独で、そのままの自分を受け入れてくれる男を愛する、って設定が好きじゃないんですよね、女性を弱いものと描いているような気がして。

マタ・ハリとアルマンの惹かれ合う過程をもっと丁寧に描いてほしかったなぁ。
一緒に日の出を眺めた朝、そして、リヨンのホテルでの逢瀬で聞いたマタ・ハリの過去。え、それだけ?みたいな。それで愛し合っちゃうの?みたいな。
マタ・ハリは危険を冒して国境を越えて怪我をしたアルマンに勝手に会いに行って「裏切られた」って騒いで勝手に「傷つけられた」と絶望する。
えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ、突っ走ったのあんただし、自業自得じゃね???みたいな。

そもそも、アルマン、恋愛にトチ狂っていないで、ちゃんと仕事しよう?あなた最初は諜報部員なんでしょう?任務を遂行しよう?戦争中では?って思ってしまうあたり、そもそも私は観劇に向いてないし、この作品の観客にはふさわしくなかった(笑)


シュガりんのラドゥーは「自分が大佐である」というブレーキが効いていてストイック。ガウンはちゃんと帯を結んでいたのも禁欲的に見えました。好き。
和樹くんのラドゥーは最初からクレイジー気味に1人の男として生きていて、ガウンは肩に羽織るだけで、マタ・ハリ迫るのも理性抑えられていませんでしたね。軍人失格ですね。

個人的には和樹くんはアルマンの方が似合ってたかなぁと思います。
特にピエールとの短いやり取りの中で見せる兄貴分的な雰囲気は良かったです。アルマンはやたら怪我のシーンが多かったけれど、さすが数々の作品でズタボロにされ慣れてるだけありますよね。
東くんのアルマンは、マタ・ハリに懐いた子犬みたいでした、大きいけど。手脚が長過ぎて、怪我したときの動きのときは持て余し気味というか、ちょっと意識がお留守になっているかな?という部分も見受けられました。

っていうか、肋骨と肩の骨折でなんで車椅子なんだろう、歩けてたじゃん??

柚希礼音さんのマタ・ハリは蠱惑的というよりは健康的で美しく、「寺院の踊り」の曲線美は確かに当時の人々によってはセンセーショナルだったと思うのだけれど、劇中で彼女がそれを神聖なものだと思っているのもあって、男性が誘惑されてしまうようなファムファタール感を感じることはありませんでした。それは私が女だからなのでしょうか。

ビッシングが"公私"の意味で彼女の上客だということは分かりましたが、マタ・ハリのどこがラドゥーの欲情を煽ったのかは伝わってきませんでした。大佐である自分と権威に従わない奔放さ?妻とは違う物の考え方?
「マタ・ハリという女性の存在ゆえに」と投げてしまうのは観客に対する甘えなのではないでしょうか。


福井さんが引っ張るものの、アンサンブルさんの活躍が目立つ"スパイの歌"(プログラム買ってないので正式な曲名は分かりませんが)は『ジキルとハイド』の「事件」みたいだなぁと思ったり、"飛行士の歌"の構造は『スカーレット・ピンパーネル』の「炎の中へ」と似てるね?と思ったり、ワイルドホーン節満載の曲。
でも、キャッチーな印象は少し薄かったかなぁ。


役付きとしては掲載されていませんが、確かに遠山くんと田村さんは他のアンサンブルよりストーリーを動かす役としての出番が多かったですね。
ビッシングの公邸でフランスのスパイを担当した遠山くんが、別の場面でビッシングの部下として出てきたのが気になったのですが、それはまったく別の役と考えていいんですかね?

あと、演出で気になったといえば、ずっとセットの上に残る1人の兵士の存在の意味。ラドゥーなどの軍の上層部の思惑など知らずに前線に送られて死んでいく兵士たちを表しているのでしょうか?
また、最後にマタ・ハリが銃殺刑に処された後、彼女の背後に現れた薄い布は何を表現しているのでしょう?空?海?
思わせぶりなモチーフが出てきても、それを落とし込めていない、意図が伝わってこないので、演出効果としては成功していないのでは……。
舞台美術が簡素過ぎるのも、観客に自由に受け取ってもらう、想像してもらう、という範疇を超えてたように思います。

それにしても、栗原さんの使い方、もったいなさ過ぎません???

2017年12月 1日 (金)

かららん「11月もやるわよライブ」 11/29 19:30

@北参道ストロボカフェ

西川大貴(vo, tap) 桑原あい(pf)

1. to U / Bank Band
2.
3. 好きだった手紙と音楽
4. クリスマスのうた
5. とびきり愉快なスウィングを
6. ステュワートさん
7. 空まで伸びる木
8. 雪の華 / 中島美嘉
9. 仮面とフィルター
10. マイ・ピュア・レディ / 尾崎亜美
11. はじまりはいつも雨 / ASKA
12. オーシャンゼリゼ / 越路吹雪
13. ヘイヘイブギー / 笠置シヅ子
14. 未来型ガール
En
・逃げのびるだけでいいだろう

「9月になったよライブ」の続編?というか、繋がった感じの「11月もやるわよライブ」。
続けて聴けた曲もあり、この時期だからの選曲もあり、久しぶりの曲もあり。
"かららん"オリジナルもカバー曲も西川くんのタップもあいちゃんのピアノもたっぷり堪能。

この2つのライブの間に西川くんが出演したミュージカル「DAICHI」。
(全体の感想を上手くまとめられなかったのでブログには書いていないのですが)
4歳で死んでしまうけれど、生まれる前から母親のことをずっと見守っていて、肉体は無くなっても家族とともに生きているような存在の男の子、ダイチ役。
表情も話し方も、小さな男の子と少年と青年を行き来しているようなダイチ、とても素晴らしかったです。

少し時間を置いてセットリストを反芻してみたら1曲目の「to U」とアンコール曲の「逃げのびるだけでいいだろう」のメッセージ性がとても似ていると思いました。
今の自分、今のあなたを肯定している。

MCで(最近の話題について)「こういう(ダイチ)役をやっていたので"生きるとは...?"とか考えちゃったりとか」と冗談めかして言っていたけれど"「あわてなくてもいいよ がんばらなくてもいいよ」と歌う「to You」と「逃げのびるだけでいいだろう」は、大きな意味で見たら「今、生きてさえいればそれでいい」というメッセージなのかもなぁ、なんて考えたりもしました。
まぁ、肩肘張らないラフな雰囲気のライブだし、深い意味はないのかもしれないけれど。

「好きだった手紙と音楽」と「クリスマスのうた」は音源未収録のオリジナル曲。
ようやく季節に追いつけた「クリスマスのうた」。
ひとつの区切りを迎えた女性の歌、なのかな?
"クリスマス"と"豚肉""生姜焼き"のミスマッチ感にガツンとやられた後に、メロディの美しさにハッとする曲。

1stアルバムがリリースされた頃はけっこうアグレッシブなアレンジをしていた「とびきり愉快なスウィングを」、最近は優しい曲になってきたなぁ。そんな変化も面白い。

「雪の華」は原曲よりサラッと歌っていたのが、逆に歌の主人公と君の関係をよりパーソナルに感じられて好きでした。

そして、「仮面とフィルター」「マイ・ピュア・レディ」「はじまりはいつも雨」は、ローズピアノという電気ピアノ(このブログの説明が分かりやすいかな)で。

シンセサイザーのような電子音ではなく、中でハンマーがぶつかるからこそ出る、手触りのある音というか。

「仮面とフィルター」、新しいブリッジがあったと思うんだけど。
恋のはじまりを歌った「マイ・ピュア・レディ」から、
「はじまりはいつも雨」へ。恋に恋するウキウキ弾む心と2人の間の親密な愛。
ある意味少しギミックを感じさせるローズピアノの音がこの3曲を物語として仕立てているような感じがしました。

2人編成のときはお決まりの「オーシャンゼリゼ」は、鼻歌混じりにウィンドーショッピング〜スキップ〜早歩き〜シャンゼリゼ通りを全力疾走!みたいなタップがかっこよかった!

明日から一歩踏み出せる自分になれるかもしれない(笑)コール&レスポンスが楽しい「ヘイヘイブギー」と、Bメロ?の手拍子がキャッチーな「未来型ガール」。
この手拍子のタメのところで「フー!」ってタオルを投げたい!! あいちゃんに「タオルを振り回すような曲はない」って言われたけど!(笑)
最後、畳み掛けるようなタップの連打にシビれたー!


いま、あいちゃんのピアノはテレ朝系のサンデーステーション(だったかな?)という番組のオープニングで聴けるようです。
この秋はNYのイベントで弾いてきたり、春〜夏はフェスやツアーで海外・国内を回ったりして、すごく多忙なミュージシャン。
西川くんは、「マタ・ハリ」で久しぶりに大きな興行の作品に出ますが(歌稽古の段階で周りの人の多さにビックリしたり、本読みで緊張したりしたそう)、演者として次から次へというよりは、自分で書いたり演出したりという他のアウトプットの方法も持って活動している。

この2人(そして、他の"かららん"に携わる人たち)がこうやってコンスタントに新曲を作って、ライブをやってくれることが本当に嬉しい。
2月のモーションブルーでのライブはストリングスを入れたアレンジになるそうで、今からとても楽しみです。

2017年9月14日 (木)

かららん「9月になったよライブ」 9/13 20:00

@四谷天窓comfort 高田馬場

西川大貴(vo, tap) 桑原あい(pf)

・9月になったら
・(カバー?不明)
・大好きだった手紙と音楽
・空まで伸びる木
・逃げ伸びるだけでいいだろう
・クリスマスのうた<新曲>
・凸凹の街
・スローなブギにしてくれ (カバー: 南佳孝)
・I LOVE YOU (カバー: 尾崎豊)
・ヘイヘイブギー (カバー: 笠置シヅ子)
・オーシャンゼリゼ
・TAP
・未来型ガール
・無重力
En.
・僕こそ音楽(『モーツァルト!』より)


クラウドファンディングのお礼で8月に博多で行われたライブを除いたら、西川くんとあいちゃんの2人だけというのは、15年5月以来。場所も同じく四谷天窓comfort高田馬場でした。

バンド形態が続いたのは、あいちゃん曰く「大貴くんがチャラくなりたかったから」だそうですが(笑)、西「なれたかなー」あ「まぁどっちかと言うとロダン系(考える人のポーズ)だよねー」。......なれなかったようです。

久々の2人、"かららん"としては初めて東京を飛び出した博多のライブ。博多の雰囲気、自分たちのコンディションでやる曲を決めていこうとしてたのに、8割ぐらいああしようこうしようと事前に準備しちゃう西川くん、やっぱり考える人だ、という見事なオチ(笑)
そんな博多のライブでおろした新曲も含む、2人の"かららん"。

「9月になったら」は、"かららん"オリジナルで唯一、あいちゃん以外が作曲した曲。作曲者はあいちゃんの姉である桑原まこさん。西川くんがまこさんのために書いた詞にまこさんが曲をつけたもの。

そして、新曲「クリスマスのうた」は、あいちゃんにいろいろあったときに、西川くんがあいちゃんにメールで詞を送りつけて(笑)つくられたものだそう。

誰かを思って書いた詞、自分のことを見つめるために書いた詞、人に伝えたくて書いた詞。
「歌」ってひとことで言っても、その性質だったり作られ方は様々で、化学反応みたい。

MCで「今まで自分に寄り添ってくれていた曲がそうでなくなったり、逆に今まであまり歌ってこなかった曲を近く感じたり」と話していたのだけれど、今回ひさびさ、というか2 回目の披露となった「大好きだった手紙と音楽」は、夏の間に少し音楽から離れていた2 人の状況にピッタリで。

西川くん的にはあまり深く練らずに出てきた詞に、あいちゃんが楽譜を起こすことなくパッと出てきたメロディを歌いながらiPhoneに録音して出来た曲なのだとか。制作過程としてはあまり手をかけられていないものだけれど、だからこそシンプルに自分を肯定してくれるのかもしれないですよね。

「空まで伸びる木」はのんびり過ごした夏の自分を許容するような、「逃げのびるだけでいいだろう」は今ならそうした自分を深刻にとらえ過ぎずに、切実になりすぎずに歌えるような気がする、という理由で選んだそうです。

今回の西川くんは、特にオリジナル曲では自分と対話するように歌っていることが多かったように思えるのだけれど、それが内省的というわけでもなく、ときどき客席を見てはにかんだりしながら、今の自分を確かめて大事に思っているような優しさみたいなものが感じられたりしました。

「スローなブギにしてくれ」は5年ぐらい前に歌おうとしたけれど、あいちゃんに酷評された(本人は覚えていない)し、自分でも上手くいかないなと思っていたものが、ようやく今になって歌えるようになってきた、とのこと。渋カッコいいナンバー このセットリストで1つめのフック。

もう1つはブギの女王・笠置シヅ子の「ヘイへイブギー」でしょうか。ハッピーカムカム♪という歌詞の印象が強烈で、すぐに分かった曲。曲名は「ハッピーカムカム」なのかと思いこんでいたのですが「ヘイへイブギー」なんですね。もはや半強制(笑)の「へーイヘーイ」というコール&レスポンス、楽しかった〜!西川くんの感想「みんな優しい♡」笑

「オーシャンゼリゼ」は前回の2人ライブでもやりましたが、岩谷時子さん訳詞バージョンでタップも交えて。この訳詞は洒脱というか、遊び慣れた女性に憧れる女の子目線で書かれていて、学校の音楽の授業で習った印象とはまったく違う歌になっているのです。
パリの石畳(行ったことないけど)を、弾んで踊りながら歩くようなタップ、よかったな〜。

いちばんビックリしたのは「未来型ガール」でしょうか。
あのノリノリのキラーチューンをピアノだけでやってしまうとは!
あいちゃんの高速ピアノと西川くんの高速タップのコラボがスーパークール&ファンキーで、2人のいろんな思いが昇華したようにさえ感じました。

アンコールには「僕こそ音楽」を。西川くんでこの曲を聞くのは、2 ~ 3回目なのだけれど、劇中よりも、他の人がライブで歌うよりも、テンポが早いのが特徴的。
目の前のたった1人に、溢れる思いを伝えたくて息せき切って歌っているような、たとえば小さな子どもがお母さんに「聞いて!聞いて!」と飛び込んでいくような。

それがとても新鮮で、でも、「詞はかけないから感じたまましゃべっている」ヴォルフの姿のようでもあって、作品や曲の向き合い方として面白いな、と感じています。

会場にはいつものように立崇なおとくんの姿。
そして、今回は浦嶋りんこさんも。りんこさんは都合がつけばよく客席にいらっしゃるのをお見かけします。
西川くんが参加したりんこさんのライブ、1回目はチケット瞬殺(モーションブルー横浜に電話がつながらず)、追加公演になった2回目は前々からの予定がどんかぶりで見に行けず...(予定を調整しようと思ったけれど、結局こちらもチケット瞬殺だったようですね)。
ちらっと耳にしたところでは「Uptown Funk」を歌ったとか?
りんこさんのソウルフルな歌が大好きなので、いつかまた開催されることを心から願っております・・・! !


好きな歌、好きな音、好きな声。オリジナルもカバーも、今、このときにしか出せない色。
今回も"かららん"の醍醐味を堪能することができました。

次のライブは18年の2月27日!なんでも、今までやったことのないことをやるそうですよ〜。楽しみ。
(この後に11月の2人ライブが発表されました!)

2017年8月10日 (木)

sign live reunion サインライヴで同窓会 8/8, 8/9

@原宿ストロボカフェ

<出演 ( )内は出演年>
▽両日出演
麻田キョウヤ ('13&'17)、大鹿礼生('17)
須藤香菜 ('13)、高田亜矢子 ('15)、
夏目卓実('17)、西川大貴('17)、三辻香幟('17)
安岡千夏('17)、山川大智('17)、吉田萌美 ('15)
MC : 藤倉梓・相澤祥子
演奏: 村井一帆

▽8日のみ
黒瀬千鶴子('13)、田宮華苗('13&'15&'17)
丹羽麻由美('17)、真記子('17)、松村桜李('17)

▽9日のみ
谷口あかり('17)、中村萌子('17)、水野貴以('15)

脚本・作詞・作曲・演出: 藤倉梓

01 . トウキョウの空のした(8日:田宮、9日:水野)
02 . Send me a sign ★☆
03 . Coffee(8日:西川、9日:大鹿)
04 . 旅(8日:松村&夏目、コーラス、9日:高田)
05 . MVP ★☆
06 . 鐘(8日: 安岡、9日:中村)
07 . おねがい(8日: 高田、9日:須藤)
08. Trump,Trap,Triumph !
(8日: 田宮&松村、9日: 谷口&夏目)
09 . ボヘミアン・ ラブ ! それでイイ ☆★
10 . 夢追い(8日: 麻田&真記子、9日: 山川&中村)
11 . Resign (8日: 須藤、9日: 吉田)
12 . TKS (8日: 丹羽&夏目、9日: 三辻&夏目)★☆
13 . 誕生日(8日&9日: 麻田)
14 . で、ミゼラブル2017(8日: 田宮、9日: 水野)
15 . ジュヴナイル(8日: 山川、9日: 西川)
16 . 手紙 (8日: 大鹿&安岡、9日: 麻田&安岡)
17 . トウキョウの空のした2 (8日: 吉田、9日: 谷口)
18 . Finale ☆★
★グループナンバー
☆グループナンバー(西川くん参加曲)
07='15、13='13、08, 15='17新曲


13年初演、15年再演、そして17年に再再演が行われたソングサイクル「sign」。
15年に1回見て、その面白さにハマり、再再演では3回も見てしまいました(笑)

ソングサイクルとは、1曲で物語が完結する曲が何らかのゆるやかな共通点でうっすらと繋がっているようなミュージカルの形態のこと。
オムニバスは登場人物が決まっていて、いくつかの短い話が詰め込まれているけれど(「きみはいい人、チャーリー・ブラウン」とか)、ソングサイクルは曲ごとにキャストがまったく違う設定や人物が出てくるのが特徴。

この『sign』で共通点となるのが、タイトル通りサイン(合図、兆候とか)と東京(江戸〜現代)という土地。
歴史的な事件、名を残した有名人、身のまわりの出来事etc、東京はこんなにもドラマで溢れている。

1つの曲にストーリーがあって、歌い手の個性によっていろいろな解釈、表現を受け取れるし、年相応の役に縛られず(大鹿くんがMCで言っていたように)若い人が人生経験豊かな人の歌を歌うこともできるというのが面白いのです。

今回は初演〜再再演の同窓会なので、この歌はこの人だよね!という納得のチョイスはもちろん、本役ではない歌にチャレンジしたり、本編では一緒になったことのない人とチームを組んだり、『sign』を見ていてもわからない&見ていなくてもわかるクイズが絶妙に難しかったり、モブをクジ引きして決めたりというお楽しみがたくさんのライブでした。
(あれだけ人数がいる中で、2日連続して同じ役を引き当てたキョウヤさん、めっちゃ"持ってる")

いくつもミュージカルを見てきたなかで(って、私はオタクではないし偏っているけれど)、「いちばん泣ける曲は何?」って訊かれたら、ダントツで「旅」です。100%泣きます、私。
渋谷の駅前にいる、有名なあの犬のお話。飼い主が亡くなっても毎日駅まで迎えに行っていたというエピソードにいろいろ説があるのは知っているけれど、歌を聴きながら情景を想像すると自動的に涙が出てきてしまうのです…。ペットを飼った経験のない私(猫好き) でさえこうなのだから、犬を飼っている人は号泣しちゃうと思う。

この曲は本編では、年少の男性キャスト+後半にコーラスで歌われる曲で、8日は17年に本役を務めた松村くんと夏目くんが担当。「うんうん、これだよね」と思いながら見ていました。9日はなんと高田亜矢子ちゃんが"1匹"で。これがすごく良かった!!松村くんと夏目くんが子犬っぽくて、亜矢子ちゃんはその子たちよりちょっとお姉さんの犬、みたいな、子どもと少女のような。亜矢子ちゃんの透明感 isプライスレス。

8日は西川くんのソロナンバー「Coffee」のオチに亜矢子ちゃん、亜矢子ちゃんのソロナンバー「おねがい」 のオチに西川くんが登場して、 昨年 2 人が出演した 『スター誕生』 カップルだ ! と個人的にとてもテンションが上がりました。 また見たいよぉぉぉ。

特筆すべきなのはやっぱり両日の「で、ミゼラブル2017」。
歌ったのは'17で別の役をやった田宮華苗ちゃんと'17には出演していない水野貴以ちゃん。
弾むような歌声で底抜けに明るくコメディ要素で押してくるタミーでミゼと何らかの革命が成功しそうな(赤い旗持参)キュートな勇ましさ溢れる貴以ちゃんでミゼ。
両方ともチャーミングで最高でした!!

「JAS●ACに引っかからないように」(水野)
「シェーンベルクさんに怒られないように」(藤倉)
2017バージョンは、 以前タミーちゃんがライブで歌った、唯一YouTubeで見ることができる音源よりも某革命ミュージカル成分が多めなので、ギリギリアウトのような気がしないでもない。好き。とても好き。

「一度生まれた歌は死なない」 ( 『I Love a PIANO』 より)のであれば、「で、 ミゼラブル」 に関しては、歌われることによって無限に進化し続けるのかもしれません。

トランプマジックは8日にアクシデントがあった(お、おぅ)ので、9日は舞台上もリピーターのいる客席も緊張感がハンパなかったような気がしました(笑)。9日のエリザベート王妃の話は1 日ずれてれば8月10日(ハートの日)だったんだけどな〜。惜しい(何が)。

「TKS」はとあるホテルの清掃員の話。夏目くんの新人っぷりが板についてる(日本語としておかしいけどw )と感心しつつ、本編で好きだった麻由美ちゃん(セット的に壁ドンならず残念)とのペアが見られて嬉しかったのと、9日の三辻さんの突然の訛りキャラが面白すぎた一。
なんだかあんな感じのワケありの従業員がいそうだもの(笑)

そのホテルにやってくるお客さんたちをクジ引きで決めたわけですが、男女ごちゃ混ぜでやったので、男性同士のカップルが女性キャスト同士だったり、女子会に来た客が大鹿くんだったり、西川くんが不倫中の人妻(明日は下の子のPTAでぇ〜)役だったり、両日ともにキョウヤさんがヤクザの手下だったり(この次に感動的な大ナンバーのソロなのに)したわけです。いいぞ、もっとやれ!

実在の人物を描いたドラマチックな「鐘」(八百屋お七)、「夢追い」(竹下夢ニ)、「誕生日」(5代目古今亭志ん生)、「手紙」(「硫黄島からの手紙」のモデルになった栗林中将)があったり、日常で経験したかもしれない身近な出来事を歌う「Coffee」や「おねがい」があったり、本編ではダンスも入るアップテンポのグループナンバーでも「MVP」(沢村栄治)と「ボヘミアン・ラブ!」(藤倉さんとお友達が海外旅行で体験した実話の数々)で歌われている内容の方向性がまったく異なっていたりと、ボリュームもバラエティも豊富なデリのランチボックスみたいな楽しさ。

その中で17年新曲、夭折したアーティストたちの名前が並べられた「ジュヴナイル」はちょっと不思議なイメージ。
Art is long, life is short.という言葉があって、モチーフのひとりでもある尾崎豊が東京出身というのは少しは関係あるのかもしれないけれど、この曲は出来事や人物にスポットが当てられているのではなくて、そこから何を感じたか、という「今」が歌われるからかも。

Live for yourself and live in the present.
その「今」感が、「かららん」にも重なって、西川くんにとてもピッタリだと思うんですよね。「かららん」のライブ(動画①)でも歌っていたけど。
衝動的に金髪にしちゃった(らしい)山川くんにも、その要素を感じました。

ここまでつらつら書いてきて、signって後ろ2文字を入れ替えるとsingになるんだなぁなんて、英単語を習い始めた子どものような発見をしました(笑)
まあ、実際にこの2つの単語の語源は全然違うのだけれど。

でも、歌うことって歌い手にとっても聴く側の人にとっても、何かのサインみたいなものなのかもしれないと思ったりもして。

特に『sign』では、その1曲で人物の一生やいちばんインパクトのある時代だったり、自分に身近なことを歌うから、曲自体の伝達する力が強くて、私にとっては、サインを受け取りやすいのかもしれません。

「舞台作品はライブ感がいいんだよ」と15年版のDVDはあえて買っていなかったのですが、ロスが大きいので、ついに予約してしまいました。
近いうちに再再々演があることを心から願っています!

2017年7月18日 (火)

かららん 2ndアルバム「ポップ・ソングス」発売記念ライブ 7/17

@TIAT SKY HALL

Vo, Tap:西川大貴、Pf:桑原あい
Fl:小林豊美、Ba森田悠介、 Dr .長良祐ー

未来型ガール
空まで伸びる木
僕らが旅に出る理由 (カバー: 小沢健二)
9月になったら
逃げのびるだけでいいだろう
いつになれば (「Second of my life」より)
ジュヴナイル(ミュージカル「sign」より)
Where is my home
ステュワートさん

ピアノ×タップ
(茶色の小瓶〜Sing Sing Sing〜 A列車で行こう)

くゲスト平野綾>
林檎殺人事件 (カバー: 樹木希林×郷ひろみ)
ラブソング(平野オリジナル曲)タップ→西川

LIVE LIFE
氷の世界(カバー井上陽水)
president (学級委員長・吉田沙良)
未来型ガール with 吉田沙良

くアンコール>
TAP
パンダの着ぐるみ with 平野綾

(7/18 21:10追記: 西川くんのツイート①)

"かららん"の2ndアルバム「ポップ・ソングス」の発売記念ライブ。クラウドファンディングを立ち上げたのが昨年11月。目標額を達成し、今年1月にレコ一ディングが行なわれ、多くの過程を経て7月12日に発売になりました。

私はクラウドファンディングに参加していたので、アルバムは6月中に届いており、ライブ当日までワクワクしながら聴いていました。今までのライブで聞いていた曲たちが自分の手元にあって、いつでも聴けるなんて、このプロジェクトに参加して本当に良かった!


「未来型ガール」の底抜けの明るさとまぶしいほどの若さは、今年の東京のとてつもない暑さも吹き飛ばしてしまいそう。
西川くんのMCでは「空までのびる木」の歌詞に東京スカイツリーを連想させる歌詞や急行電車の描写があって、そこから東京タワーという固有名詞が入った「ぼくらが旅に出る理由」が繋がったと言っていたけれど、何より羽田空港の中にあるライブスペースという場所にこの曲はピッタリ。

私はどちらかというと喜怒哀楽がゆるやかな人間だと思うのだけれど、仕事で大失敗したわけでも、人とぶつかりあったわけでもないのに、突然に「あーなんて自分はダメな人間なんだ」と思ってしまうことがあって、「逃げのびるだけでいいだろう」はそんなときにそっと寄り添ってくれるような優しさを感じる曲。

「Where is my home」で描かれる、けっして厳しい場所にいるわけではなく、むしろ周囲には「恵まれている」と思われているけれど自分的には居心地の悪さみたいなものを感じているパンダくんは私に近い存在に感じます。パンダみたいに人気者じゃないけどね。

今回のライブで印象的だったのは、出演した映画「TAP THE LAST SHOW」が公開されたことから、タップがいつもより多かったこと。

ビアノとタップのスタンダードジャズ3曲メドレーセッションは、曲そのものが持つメロディーのパワーとあいちゃんから奏でられる多彩な音と床を打ち鳴らすタップのリズムが呼応し合って、とてつもない高揚感。

このライブ、写真・動画撮影OKという試みだったのですが、ナマでライブを楽しみたい自分とこれを記録して、みんなにもっと知ってほしいという自分のせめぎ合いで、分裂できればよかったのに!と何度もライブ中に思っていました(笑)

動画をいくつかツイッターにアップしてモーメントにまとめてみました。

さて、ゲストは平野綾ちゃん。
2013年〜15年のエポニーヌとモンパルナス。
ナイフを突き付けて手首をひねられた間柄。
「綾ちゃんは手首ひねるときの声がいちばん大きかった」
「過酷な生活を生き抜くエポニーヌを表現したかったので、 (モンパルナスを) 殺すつもりでやっていた」

「林檎殺人事件」もかわいかったし、タップダンスメドレーを終えた後さらにオリジナル曲で西川くんにタップを要求するSっぷりもいい感じでしたが、綾ちゃん参加の真骨頂は、西川くんが「これがやりたかった!これが完成形だ!」と叫んだ、アンコールの「パンダのきぐるみ」でしょうか。
声優としてキャラクターを演じることに長けている綾ちゃんが、パンダをかぶって「人に何と言われようと私がんばってます」と歌う。いくつもの意味を含んでいるんだろうなと推察しつつ、この曲をいちばん正しく伝えているように思えてきたり。
(それにしても豊美ちゃんが舞台から飛び降りて客席を爆走しながらピアニカを吹くとは誰が想像しただろう)

それから、泣く子も黙る学級委員長・吉田沙良ちゃん。
"かららん"の曲はひとつひとつまったく表情が異なるのだけれど、沙良ちゃんの歌声が入ることでさらに色味が加わって鮮やかになる。西川くんとは別の角度からドラマを作れる人。


アンコール中に、オリジナルタオルを「めっちゃかわいくないすか?」と宣伝する西川大貴さんの図。






14年11月に1stアルバム発売後、15年2月のライブですでに「president」や「空まで伸びる木」をやっていたので、ようやく!という思いが強いのだけれど、ライブを重ねて成長した音で CDになるのは嬉しいもの。
それでいて、完成ではなくて。
やっぱり、 "かららん"の醍醐味はライブだと思うのです。
CDという形になって、ライブでエネルギーが爆発する。これでもかと音を浴びて、メンバーのキラキラした表情を見て、何と幸せなことかと実感しました。

2ndアルバム「ポップ・ソングス」の制作〜発売まで、ここで一区切りと言っていましたが、これからまたそれぞれの分野でキャリアを積み重ね、もちろん"かららん"としてたくさんライブをして、その先に3rdアルバムだったり、例えば映像作品とのコラボだったり、いろんな展開が待っているといいなと思っています。
可能性は無限。

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